2022年10月に「健美家」登録会員を対象に実施した「第18回不動産投資に関する意識調査」によると、ワンルームマンション業界における価格の動向を追っていくと、物件の高騰が続いていることが分かります。
銀行の金利が相変わらず低金利で推移しており、フルローンでの購入も勢いがあります。銀行の金利は主に固定タイプと変動タイプに分かれますが、居住用の自宅での購入のみ利用可能な住宅用ローンと異なり、投資用不動産ローンのほとんどは変動金利で組まれているのが特徴となっています。投資用不動産ローンの短期プライムレートは記録的な低金利となっており、経済活動の影響を受けやすい金利はいつ変動してもおかしくありません。10年前に購入した方は今の金利の低さに驚きを隠せないでしょう。さらに、物件自体の価値も上昇しており、買い手は引く手あまたです。
大阪、福岡、愛知など地方での投資用物件は増えていますが、日本全国でも都市部での築浅ワンルームマンションの空室や空き家はほとんどない状態で、地価の資産価値はさらなる上昇傾向にあります。入居者の需要が高くなっているにも関わらず、供給が追い付いていないというところが上昇している一つの要因と言えるでしょう。
このような状況では「今こそ売却のタイミングかもしれない」と考えられるかもしれません。
そんな方のために、本記事では、物件を取得してから一定の年数が経過しワンルームマンション売却予定の方に向けて売却物件の登録や手続きに関しての流れと、売却をする際の注意点とコツについて和不動産編集部がご説明いたします。
まずワンルームマンション売却の考え方ですが、タイミングは状況によりまちまちです。多いケースとしては下記の2つがあります。
新築で物件を購入されていて、売却を考えている
購入時から月々の収支がマイナスになっている状態で始めており、築年と共に共有部分を管理する費用である管理費や、建物全体の修繕に使用される修繕積立金等の値上げ、専有部分を管理する為の経費のため返済額が多くなり、収支の悪化が目立ってしまっている場合です。
タイミング等は関係なくワンルームマンションを他の人に譲渡しなければならない状況であると言えます。物件購入時の想定が甘く、購入後イメージしていた結果と違うという事が多々あります。
ワンルームマンション売却のタイミングとして、損益分岐点を考えます。これはローン残債と売却価格がつりあうタイミングで売却を行う事で、概ね15年前後で訪れます。そのため、中古区分マンションでは15年程度の築年のものが多く売買されているのです。
都内の人気な立地を購入していて、価格が上昇している
低金利を活用して安定収入を目的として始めたマンション経営でしたが、近年の価格上昇でキャピタルゲインが出るケースです。今のタイミングで利益を確定するべきか、持ち続けるべきが悩まれる投資家の方もいらっしゃると思います。
大きく分けると上記の様になりますが、果たして今がワンルームマンション売却を検討すべきタイミングなのでしょうか?ワンルームマンションの価格は建築資材のコスト増などで年々上がっていますから、売却益の出る可能性があり今が一括で売るタイミングであるとは言えそうです。
この先マンション価格が下落するようなら今がワンルームマンション売却を検討すべきタイミングであるといえますが、実際、それは専門家でも分かりません。つまり、『今は売りやすい環境だが、売却すべきタイミングであるかどうかは不明という』認識が正しいのではないでしょうか。
売却を考える際に大切なことは、何故売却するのか、何の為に売却するのかを明確にしておくことです。
ここからは、ワンルームマンション売却のタイミングはいつか、売却するにはどうすれば良いのか、出口戦略について解説していきます。
不動産投資は投資ですので、その時々の市況や教科書の様な歴史から学び予測する事も可能です。具体的な成功例や実績を知りたい方、実際の運用データを見たい方は全国から参加可能なオンライン相談をご利用ください。担当者がご相談を承らせていただきます。
売却(出口戦略)を考える際にまず最初にする事は?
ワンルームマンション売却を考えた際、最初にする事はなんでしょうか
不動産業者の広告チラシがポストに入っている事が良くあるかと思いますが、ちょうど売却や出口戦略を考えていたタイミングであっても安易に電話をしてしまうのは考えものです。
査定依頼を集めて物件を仕入れている不動産業者は沢山います。物上げ業者と言われる仕入専門の不動産会社や仲介業者も玉石混合しており、初心者の方がそれぞれを調査して取捨選択するのは至難の業かもしれません。
売却するからにはできるだけ高い売却代金を手にしたいと誰もが思うものです。
売却の仕組みを知る事で賢く売却していきましょう。
まず売却と一言で言っても複数の種類があり、業者買い取りと媒介とあります。
業者買い取りと言うのはその名の通り不動産業者が物件を買い取る事です。
対して媒介とは買いたい人を募って仲介して貰う事を指します。
両者とも全く異なる買い取り方法になりますが、選び方のポイントはあるのでしょうか。
それぞれ解説していきます。
仲介と媒介、買取とは?
不動産業者に買ってもらう業者買い取りですが、業者は買い取った物件を買い取った金額よりも高く売ります。この場合買い取る金額は売れると思う金額よりも安くなければならない事になります。
自分の物件を希望通り高く売却したいのであれば、この選択肢は損であるという事になります。高く売却したいと思うなら、不動産業者に売却するよりも個人に売却した方が高く売れるかも知れません。
しかし、不動産業者の買い取りにメリットが無い訳ではありません。
業者買い取りも十分に悩むだけのメリットとデメリットがあります。
メリットはすぐに売れるという事です。いまだに終息の気配がない「コロナ」の影響で最初の緊急事態宣言の際には業者買い取りの成約数が上昇しました。不動産業者が買い取る場合、抵当権の抹消などの書類上の手続きが問題なくスムーズに進んでいくため、手間が少ないというメリットがあります。売却の際にかかる税金や手数料を計算し、残債に対しどれ程プラスの利益が出るか判明するので、確実に手元に残るお金が分かり、次に購入する物件の資金を準備することができます。それにもし売買後に何らかのトラブルが起こったとしても売主である皆さんが責任を負う事は先ずありません。
不動産業者は、入念な物件庁舎をもとに物件の買い取りを行っています。決済後に問題があったとしてもそれは買う前にしっかりと調べなかった不動産業者側のせいだと言えます。明らかな瑕疵の隠ぺいが認められなければ、売主より物件を引き渡された時点で不動産業者が責任を負うのが一般的です。
対して媒介取引では契約不適合責任を売主が負います。取引後に設備の毀損や契約との相違があった場合売主が責任を負わねばならず、修繕や賠償が発生するかもしれないのです。
仲介や媒介と呼ばれる取引の形態ですが、意味は同じです。仲介と言うのは、仲介業者を通じて物件を販売し、物件を買いたい人が現れたら取引を成立させます。売主、買主双方が仲介手数料を支払い売買が行われます。仲介取引のメリットは個人の方が買う場合があるため比較的高く取引が成立する事です。
今ではポータルサイトの利用者も多くなり、インターネットで物件探しをするのが主流となっています。そのため、交通の利便性など購入者目線の売買価格で取引が成立するかもしれません。
仲介手数料こそかかりますが、利益が高く見込める売却手法と言えます。
問題点はいつ売れるか分からない事です。
仲介取引では買主を探す所から始めます。買う人がいなければ売れない訳ですから、十分な期間を見込んでいないと思うように取引が進まない事になります。実際不動産市場では売れない物件は沢山あります。売却する側としては高く売りたいので相場よりも高いマンションが掲載されている事も良くあります。
所有しているマンションの中古での相場が2,000万円位で売られているなら2,200万円で売れて欲しいと思うでしょうし、仲介手数料を考えたら少なくとも2,070万円で売りたいと考えるかも知れません。
皆さんが物件を買った時を思い出してほしいのですが、買う人はどう考えているでしょうか。
それはなるべく安く買いたいと考えている訳です。
なるべく高く売りたい人となるべく安く買いたい人の取引を纏めなくてはならないので時間がかかってしまうのです。
そして、仲介取引では契約不適合責任を売主は負う事になります。皆さんはワンルームマンション売却時に仲介業者によって売買契約書を作成してもらう事になるかと思いますが、そこに記載されている契約責任を負う事になるのです。良く分かっていなかったでは済まされませんので注意が必要です。
具体的には取引時には雨漏りが無いものとして契約成立させているのに実際には雨漏りがある事例です。契約不適合責任では追完請求や損害賠償を認めておりますから、取引後に痛い出費になるかもしれないのです。
ワンルームマンションの取引では土地部分や建物全体の瑕疵については問題が起こり難いかと思いますが、賃貸中の物件を売買する事が殆どになります。
賃貸契約する前の内覧もしっかりと行い賃借人の信頼も得ている状態ですし、室内の状態が不明瞭なまま引き渡しがなされますから注意が必要です。
契約のさいには、宅地建物取引士による重要事項説明もしっかりと行っております。
業者買い取りの場合その辺りの責任を売主が不安に思わなくて良いのは大きなメリットでしょう。
「とりあえず高く売ろうとしてみる」ことの弊害
先ず仲介で事前に売り出して売れないようだったら業者買い取りをしてもらうという考えはどうでしょうか。そうしてしまうと物件買取価格は多くの場合仲介で売り出す以前の査定額よりも下がってしまいます。それどころか、買取業者によっては買ってくれなくなるので注意が必要です。
仲介で物件を売り出すとその物件情報は想像以上に広く知れ渡ります。買い取り業者からすると一度売り物として世に出た以上その金額より高く売る事は出来ないと考え、売り時を逃してしまう可能性があります。買い取る金額を下げて利益を出すしか無くなりますから、買い取り価格が下がってしまう事になるかもしれないのです。
非公開物件という言葉を聞いた事があるかもしれません。これは世間に公開されていない物件という意味になるのですが、仲介で公開してしまってはこの非公開物件を謳えなくなります。
非公開物件で無くなった物件の問題点はこれだけではありません。
銀行の融資にも影響し、十分なローンが組めなくなる恐れもあります。
ワンルームマンション投資で扱われる金融機関では基本的に還元利回りにて融資額を算出していきますが、それでも細かな価格については物件に応じて個別に評価していきます。すでに市場に物件が出ている場合はそれを基準に融資額を計算します。
昨今では銀行評価額が売買価格と同じだけ評価されるフルローンが取引では多いかと思いますが、物件情報が出てしまっているとその金額を指標に融資を考える訳です。仲介で出す場合の方が高値で売ろうとするのだから大丈夫だと思うかもしれませんが、買取業者は買い取った金額よりも高く売らなければいけない事を忘れてはいけません。
2,000万円の査定が出ていた物件を2,100万円で仲介に出したとします。2,100万円では売れないのでやっぱり2,000万円で業者に買ってもらおうと思っても業者からすればすでに2,100万円でしか売れないワンルームマンションですから2,000万円で仕入れるのは高買いになってしまうのです。
そして非公開と言うのは買主にとって魅力的な状態です。色々な業者に触れてきた物件よりも情報公開の少ない物件の方が魅力的である事は買い方に立った場合を想像すれば分かるかと思います。収益物件を販売する会社が「非公開物件弊社だけ」と謳った物件がついこの間までそこらじゅうで見かけた物件ではなんだか白けてしまいますよね。
このように仲介で高く売ろうと試みて、売り時を探ってみて売れないようだから業者に買い取ってもらおうとする位なら、最初から買い取りをして貰った方が高く売れる事もある訳です。
相場を知ろう!
ワンルームマンション売却のタイミングを見極める為、相場の調べ方を解説します。
ポータルサイトで自分の物件と似たような条件を調べてみるのはヒントを得るには良い手法です。
この際利回りから販売価格を算出する方法を覚えておいてほしいと思います。
皆さんも物件を購入する際に表面利回りというものを気にしていたかと思います。表面利回りは年間の賃料を物件価格で割ったものです。
ワンルームマンション売却時に不明なのは価格です。
そこで、物件の期待利回りで年間賃料を割り戻す事で売買価格を算出します。
この地域なら5%の利回りは取れるなとあなたが思うとします。
8万円の家賃が取れているとすると年間賃料で96万円です。
この96万円を5%で割り戻します。すると1,920万円と言う数字を出す事が出来ます。
つまり1,920万円位で売れるなと予測が立つわけです。
この際に使われる利回り5%の事をキャップレートと呼びます。
不動産投資の平均利回りは大体4~5%といわれていますが、お住まいの地域や各エリアのキャップレートは様々です。調べて参考にしてみるのも良いと思います。
自分の物件の周辺の賃貸相場を調べて同じ事をしてみましょう。
自分の部屋が周辺よりも安く貸しているのか、高く貸しているのか、周辺の賃料相場はどうなのか、そういった事から相場を見ていきます。
ポータルサイトの販売価格はあまりあてになりませんので参考程度にするのが良いでしょう。
さらにウェブ上の査定サイトも曖昧なので参考程度にしておくのが良いでしょう。
何故売りたいのかを考えて、ぶれないようにする
物件を購入する時を思い出してみてください。
年金対策、不労所得を作るため等で検討を始めたはずだったのに気が付けば利回りは何%以上、キャッシュフローはいくら以上プラス等と物件の事ばかり見るようになっていませんでしたか?
ワンルームマンション売却時も同じです。
目的は何なのかを忘れないでください。
古い物件や、平米の狭い物件、駅から遠い物件等を売却して駅至近の広めのワンルームに買い替えたいと考えているとします。この場合の目的は「買い替える事で自分の資産内容を整える」事です。「なるべく高く売る」事では無いのです。勿論高く売れるに越した事は無いのですが、それに拘って本来の目的が適わなければ本末転倒です。
言いかえれば本来の目的が達成されればある程度柔軟に考えても良い部分があるという事です。物件の買い替えなら業者買い取りと購入を併せて考える事で購入物件の値引き交渉等も出来るかもしれません。
売り時と言うのは高く売れる時を指すだけではありません。
皆さんにとっての資産形成の計画の中で売却するべきだと思った時が売り時なのです。
ワンルームマンション売却後どうしていくかが明確でなければ、売却益を上手く運用していくことができません。高く売りたいことだけ考えるのではなく、ワンルームマンション売却後をしっかり見据えておくことが大事です。
結局どうすれば良いのか
それは自分自身で相場をしっかりと見てから信用出来る業者に相談していくのが良いでしょう。
買い取り価格が気に入らないとなってから媒介で売りに出すなら不利益にはなりません。勿論媒介した後に買取しようとすれば価格は下がってしまうかもしれません。それでも、何故価格が伸びないのか不動産業者から聞く事が出来るでしょうし、弱点を知る事で妥協するポイントが分かるかもしれません。
多くの売主さんは自分だけが特別良い買い物をしてきたはずと思いたい気持ちがあります。なので高く売れるだろうという願望がついつい価格を上げてしまうのです。
また、マンションや戸建てなどの不動産売却では、印紙税や住民税、所得税などの税金がかかる点にも注意しましょう。
マイホーム(居住用財産)を売ったときは、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例がありますが、投資用物件ではこの制度を用いることはできません。
課税される税率は物件の用途や所有年数などで変化します。また不動産を売却したときに生じる税金には様々な節税対策があり、場合によっては控除されることもあります。
選ぶ金融機関によっては、金利や利息の額も大きく異なってきます。
そのため税金に関する知識を持っているか否かで、不動産売却時に支払う税金が大きく違ってしまいます。
不動産取引は、季節によっても大きく異なってきます。
一般的に、不動産取引はダントツ3月に多いといわれています。
季節的に売るのが良い時期などもあるので、信頼できる不動産会社を見つけられるかどうかも重要になってきます。
今回のまとめ
ワンルームマンション売却を考える際に大切なことは、何故売るのか、何の為に売るのかを明確にすることです。
目的は何なのかを忘れてはいけません。
ワンルームマンションを売却する事で何をしたかったのかを思い出し、再確認してください。
今一度何故売るのか、売ってどうするのかをよく考える必要があります。
和不動産では都心の中古のワンルームマンションの販売を、主な事業として取り扱っている会社になります。
弊社では皆様の取引の目的から丁寧にヒアリングし、経験豊富な営業担当が相談をお受けいたします。
大手とは異なる小規模運営の企業だからこそ、一人一人誠実に対応することを心がけています。
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更新日:2023年1月10日