2018年6月15日、住宅宿泊事業法(民泊新法)が本格解禁を迎えました。

急増する訪日観光客の受け皿となり、日本に観光立国への道を開くと期待を寄せられている民泊ですが、営業日数の制限などの「規制の壁」が高く立ちはだかっています。仲介サイト最大手・米Airbnbを介して広がった市場の行方に水を差しかねず、船出は難航しています。

各自治体による制限の厳しさから、採算が合わないと踏んだ個人オーナーの廃業が相次いでいます。東京都新宿区のAさん(34)は、自宅マンションなどで数年前から営んできた民泊を廃業しました。
Aさんが営んでいた民泊は観光案内や食事を通じた交流が好評で、集客に利用していたエアビーでの口コミも高評価を獲得していました。これまで騒音・ゴミなどのトラブルもなく、税金も納めてきました。
元々、民泊はホームステイが盛んな欧米で普及した文化です。2013年にAirbnbが日本語サービス開始以降、旅館業法などの許認可がない物件も容易に掲載することができたため、掲載施設は急増しました。そして、Aさんも無許可民泊オーナーの1人でした。
政府は、無法状態だった民泊を一定のルールの下で普及させるため、民泊新法を立案。従来は原則禁止していた住居専用地域での営業を年間180日以内の上限付きで認める一方、一部で問題になったゴミの分別トラブルなどを防ぐ細かいルールを設けました。
Aさんが新法での届け出を区に相談すると、無許可営業を反省する「始末書」への署名や任意の立ち入り検査を求められました。Aさんが民泊を営んでいた新宿区は、住居専用地域での平日営業をほぼ全て禁じる条例を作り、規制を強めました。
マンションの管理組合も規約を改め、「民泊を禁じる」としました。「いいかげんな管理の施設と一緒にされている」と、Aさんは悔しさを滲ませています。

情報通信総合研究所によると、民泊そのものの市場規模(収入ベース)は2020年代前半に約1兆円と、2016年比で倍増する見通しです。ですが、自治体の追加規制や煩雑な手続きが嫌われ、Aさんのような廃業が相次いでいるのが現状です。
「民泊の備品譲ります」。SNS上にはこのような書き込みが相次いでおり、家具搬出など廃業を支援する業者まで現れました。7日時点での新法に基づく届け出も、約2000件にとどまっています。

民泊仲介サイトは、新法施行後に無許可施設を載せられないと定められています。

Airbnbは6月頭に4万件以上の表示を削除し、今春には約6万2000件あった掲載施設が8割減の1万3800件にまで減りました。
無許可物件に入っていた15日以降の予約も順次取り消さねばならず、月内だけでも3万件以上が取り消され、Airbnbはその補償に11億円もの経費を計上しました。
東京都町田市の男性(45)は今年4月、自宅近くのアパートの一室を民泊新法に則って届け出ました。
5月に受理されるまで、市役所や消防署などに出向いた回数は10回に上りました。民泊新法では年180日までしか営業できないため、運営コストを考えると民泊1本では厳しく、残る時期は1カ月以上のマンスリー物件として賃貸することを考えています。

訪日客の急増で普及が先行し、ルール整備が追いつかなかった民泊。

利用経験のある訪日客143人に日本経済新聞社が5月に行った調査では、安さより日常体験を重視する人が多いのが特徴です。
自治体ごとに営業可能な曜日などが異なる「上乗せ条例」については、65%が「旅行者にわかりにくい」と答えました。
「悪質な民泊は排除すべきだが、善良な個人家主が退場すれば民家で交流する本来の民泊が消える」(都内の女性家主)。規制が強まれば、結果として「民」の創意工夫の力をそぐことになり、新たな市場創出を阻みかねません。
個人もサービス提供者になれるシェア経済の世界的潮流に乗り、日本は観光立国への道をどう切り拓いていくのか注目です。

注目されていた民泊新法がいよいよ解禁となりました。
今後も最新の情報は当HPでもお伝えしていきますが、民泊と不動産投資の関係や、ご自身の所有している物件への影響など
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