中古ワンルームマンションの流通事例が増えている

近年、首都圏の中古ワンルームマンションの流通事例が、急増しています。2001年に6,552件だった流通事例は、2016年には82,595件と約12倍もの差です。

この要因として、全世界で1,000万分以上販売したロバート・キヨサキ氏の「金持ち父さん・貧乏父さん」による影響も大きいと言われていますが、根本的には日本における社会保障不安が現金をマンション投資に向かわせた要因であると考えています。

給料が半分になってしまう・・・それが日本の老後です

日本の社会保障は、多くの国民が不安視しており、この不安が貯蓄から投資へのマインド変化の原因とされています。例えば、世帯年収700万円の家庭の場合(夫婦・子ども2人の場合)、社会保険料と税金を除いた金額を12等分すると月々の収入は約46万円です。一方、セカンドライフの収入源である年金の支給額を月々20万円とした場合、サラリーマン時代の半分の収入で生活しなければなりません。毎月の安定収入が半分になって安心できる人は、ほとんどいないでしょう。こういった社会保障不安が、貯蓄から投資へ向かっている大きな要因です。

資産形成ステージと退職ステージの違い

一般的に資産運用は、現役時代も退職後も同じ方法をとる人が多いのですが、それは間違いです。退職する前の現役時代は資産形成するステージになります。このステージでは、所得増による資産形成が必要です。サラリーマンとして収入を増やすことはもちろん、資産運用によりお金にお金を稼いでもらうことも重要になります。ここでは、お金を稼ぐ力が必要になるのです。

一方で、退職後のステージは、既存資産の運用と引き出しを行い生活費の足しとして、資産を取り崩すステージです。ここで、重要なことはお金を守ることと支出を増やさない守りの資産運用です。こういったステージでは、売却益によるキャピタルゲインではなく、安定収入のインカムゲインが好まれます。

現役時代では、収入が入ってくるため、資産残高は増加し資産運用はプラスの方向に変化しやすい特徴があります。そして、投資期間は長いため、多少のリスクをとってもやり直しがききます。そのため、自分で働くという労働収入以外の選択肢としてお金に働いてもらうことも重要です。もちろん、資産運用の目的は資産を増やすことで、選ぶべき運用方法はリスクの許容がどれだけできるかで判断することになります。

一方で、退職後つまり、セカンドライフにおける資産運用は、現役時代のやり方とは異なるのが通常です。収入は年金が基本なので、資産を取り崩します。そのため、資産残高は減少し、投資効率も落ちてきます。そして、セカンドライフは20~30年と長期に渡るため、思っているより長い期間になるのです。資産が減少していくステージでは、やり直しが難しいためリスクは低いにこしたことはありません。現役時代は、収入はインフレに対応できましたが、資産はインフレに連動しにくいため、お金を守るという考え方が重要になります。

そのため、定年後の資産運用では、以下の3点に配慮しなければなりません。

①インカムゲインによる安定した収入の確保

②インフレに連動する資産構成

③年金や長寿に対するリスクヘッジ

これらの観点から、「安定家賃収入の確保」「インフレ連動の不動産」「長期間収入を確保できる都心立地」のワンルームマンションが選ばれています。その流れから、中古ワンルームマンションから得られる家賃収入を老後の生活費の補てんとして利用したいと考えている人が増えているから、流通事例は急増しているのです。

今後も年金に対する不安や長寿に対する不安が、都心の中古ワンルームマンションの需要を維持していく要因になることでしょう。